| 「でもこの大学の連中は殆どインチキよ。みんな自分が何かをわかってないことを人に知られるのが怖くってしようがなくてビクビクして暮してるのよ。それでみんな同じような本を読んで、みんな同じような言葉ふりまわして、ジョン・コルトレーン聴いたりパゾリーニの映画見たりして感動してるのよ。そういうのが革命なの?」 『ノルウェイの森』講談社文庫 1991年(下巻)より62ページ |
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努力型の天才を絵に描いたような人です。デビューしたての頃は、鋼鉄のような力強い音色には魅力があるのだけれど、メロディーがなんだかぎくしゃくしていて、ごつごつしていて、まあ、マイルス・デイビスの引き立て役としてはバンドの中でちゃんと仕事をしてるよな、という感じでした。それが、みるみる上手くなってきて、バンドのスターになって、達人になって、最後にはサックスの神様になってしまいました。 ヒップなファッションに身を包んだ同僚にかこまれていながら、まったくマイペースで、全身これ求道家といったスタイルをくずさず、『オーム』とか『至上の(=神への)愛』とか神がかって、アバンギャルドな60年代を駆け抜けて、1967年に死んでしまいました。 60年代の日本の若者文化には、まさにうってつけのカリスマで、いまだにコルトレーンに複雑な思いを抱いている団塊世代も多いとのこと。そんなことを抜きにしても、本当にかっこいいサックスです。マッチョでタフな演奏から、鋼鉄の女までもとろけさせるバラードまで、幅広い音楽を残しています。なんといっても、この人の一番いいところは、音楽に大きさを感じさせること。おとぎの国の王さまのようにどっしりとか構えながら、世の不幸をすべて背負って、いまもジャズ界の最高峰としてそびえたっているのです。
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